平成29年01月号
編集・発行人 小島研二

平成29年度 年頭所感


日本ホース金具工業会
会長 立田 力三


 平成29年の新春を迎え、謹んでお慶び申し上げます。

 12月8日に内閣府が発表した2016年7〜9月期の実質国内総生産(GDP)の改定値は、設備投資が下方修正されたことにより年率換算前期比1.3%増へと大幅下方修正されました。11月14日発表の速報値2.2%増からの改定で、景気は緩やかな回復基調が続いているものの、先行きには不安要因も多い状況です。

 当工業会の需給動向ですが、建設機械向けや工作機械向けが不振で、昨年1〜10月の出荷実績は505億円(前年同期比96%)となっております。内訳は産業用ゴムホースが341億円(前年同期比97%)、自動車用ゴムホースが78億円(同99%)、ミニショベルや工作機械向けが不調な樹脂ホースは58億円(同92%)、付属金具は29億円(同90%)でした。

 大手需要先である建設機械の平成28年1〜10月の本体出荷額は、国内が6909億円(前年同期比94%)、輸出が8792億円(同90%)、合計で1兆5700億円(同92%)でした。メイン機種の油圧ショベルは、国内は前年同期比約7%ダウンですが、輸出は中国の在庫調整が一段落したことと公共事業の復調により同国向けが4月以降好調で、前年同期比3%ダウンまで回復してきています。ミニショベルの方は国内向けが排ガス規制の駆け込み需要の反動減で前年同期比64%と不振ですが、輸出は前年同期比100%という状況です。機種別で前年伸長率がプラスなのはトンネル機械(前年同期比258%)と基礎機械(同113%)だけです。自動車の1〜10月の実績ですが、生産台数は758万台(前年同期比98%)、国内販売台数は415.5万台(同97%)、輸出台数は378.8万台(同101%)となっています。工作機械の1〜10月の受注金額は内需が4396億円(前年同期比88%)、外需が5906億円(同78%)、合計で1兆302億円(同82%)と昨年8月から15カ月連続で前年同月比マイナスが続いています。

 さて、今年度ですが、経済対策に伴う公共投資増加による下支えがあり、緩やかな景気回復基調は継続すると思われます。オリンピック関連での都心部の再開発や宿泊施設など非製造業の建設投資も期待出来ますし、米国トランプ新政権の積極的な財政政策で景気が拡大し設備投資が持ち直せば、同国向け資本財輸出の増加にも繋がりますので、好景気になるのを願うばかりです。
 当工業会の昨年度の事業活動ですが、例年通りホース及び継手関係のJISやISOの審議に積極的に参画して参りました。
  JIS関連では、日本LPガス供給機器工業会が事務局を務める「LPガス用継手金具付高圧ホース及び低圧ホース」という新規JIS規格の原案作成委員会に参画致しました。この規格が制定され次第、当工業会が事務局のJIS B 8261「液化石油ガス用ゴムホースアセンブリ規格」は廃止となる予定でございます。
  ISO/TC45関連では、10月にマレーシア・クアラルンプールで行われた国際会議に「ホース製品分科会」と「ホース試験方法分科会」委員の方に参画頂き、従来無かったISO/DIS 16301「鋼線または繊維補強ジャッキ用ホース」やISO/DIS 19385「ウォータージェット用に使用される鋼線・繊維補強ゴム・樹脂ホース」の規格案を審議しました。インパルス試験の波形・サイクルについては日本の提案を通すことが出来ました。
  ISO/TC131関連では11月にイタリア、ミラノで国際会議が開催されましたが、「液圧継手ホース分科会」関連の審議事項がございませんでしたので委員の派遣は見送りました。
  ISO/TS17165「液圧用ホースアセンブリの取扱い基準」は当工業会規格JHCA-STD-20がベースとなって制定されましたが、その後安全や防災、環境面へ配慮する内容が追加されています。ISO/DIS 8331「ホースアセンブリの選択、保管、使用及び保守の為のガイドライン」もその内容が追加、見直しされています。現在、日本ゴムホース工業会と合同のRHC委員会で従来規格の見直しやTC131の分科会で新たなJFPS(日本フルードパワー工業会)規格を制定する打ち合わせを実施しております。今後も、日本の考え方をISOに反映させ日本規格の国際化を推進する活動を更に推進して参ります。

 工業会といたしましては、これからも会員相互の発展を促進する為、技術の向上並びに普及を図り、公共の安全を確保すると共に、関連業界の発展のために努力して参ります。

 末筆ながら、認定会社各社のご繁栄と皆様方のご健勝を祈念申し上げまして、新年のご挨拶とさせて頂きます。

以上



(工業会の所管部署であります、経済産業省製造産業局素形材産業室長蘆田様のご挨拶を併せご紹介申し上げます。)

年頭に寄せて



  平成29年の新春を迎え、謹んでお慶び申し上げます。

 日本経済全体としては、安倍政権発足以来、4年間のアベノミクスによって、国民総所得は約40兆円増加し、国の税収も15兆円増えました。さらに雇用は110万人拡大し、企業収益は過去最高水準を記録すると共に、企業の皆様のご尽力もあって、3年連続高水準の賃上げを達成することができました。

 しかしながら、将来をみますと、我が国は、少子高齢化に伴う働き手不足、期待成長率の低さによる国内投資の伸び悩み等、困難な構造問題にも直面しております。

 我が国のものづくりの基盤である素形材産業としても、国内需要がまだら模様の中で一進一退の状況が続いております中、上記の構造問題に限らず、エネルギーコストの高止まりや取引構造上の課題等、引き続き取り巻く事業環境は厳しいものと認識しております。

 このため、先ずは、アベノミクスで得た成長の果実を全国津々浦々に届け、持続的な成長軌道に乗せていくためにも、中小企業の取引条件を改善するとともに、サプライチェーン全体での付加価値向上に向けた取組が重要と考えております。昨年末、経済産業省では、下請法の運用基準の改正等を行い、下請取引の適正化に徹底的に取り組みました。また、素形材業界を含め、これらの取組を先導する業界の方々には、自主行動計画の策定とその積極的な実施をしていただけることになりました。本年も、素形材産業取引ガイドラインの改定や、多くの皆様にご活用頂くための周知活動をはじめ、関係業界の皆様と連携させて頂きながら、こうした取組を引き続き進めていきます。

 次に、素形材産業の各企業が有する、世界トップクラスの技術力、生産管理力を活かし、これからの激しい変化や高まる不透明感の中にあっても、「稼ぐ力」を発揮しつづけられるよう、具体的な取組を着実に進めて頂くことが益々重要です。

 関連して、経済産業省では、先述の構造問題等に対応すべく、イノベーションを喚起し、企業の生産性向上を促し、競争力の強化を図る一つの鍵として、第四次産業革命があると考えております。第四次産業革命においては、IoTやAI等の技術が各分野におけるビジネスモデルと結びつき、全く新たなニーズの充足を可能にすると言われており、ものづくり産業においても、生産性向上、新たなビジネスモデルによる付加価値の創出などに結びつけていくことが期待されています。

 このため、素形材産業室としましても、業界関係者、大学をはじめとする各界と連携させて頂きながら、「稼ぐ力」研究会の開催を通じた先進事例の共有、海外ミッションの実施、各種支援策の活用促進をはじめとして、素形材産業の皆様による挑戦を応援してまいります。

 また、4年目を迎えることとなる次世代型産業用の積層造形技術(3Dプリンタ)の研究開発プロジェクトにおいても、できる限り我が国素形材産業の競争力向上に活用して頂けるよう、成果を追求してまいります。

 末筆ながら、本年の皆様の御健康と御多幸を、そして我が国素形材産業の着実な発展を祈念いたしまして、新年の御挨拶とさせていただきます。

平成29年元旦

素形材産業室長
蘆田 和也

 
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